副社長のイジワルな溺愛
「深里さんがよくても、私はよくない。連れがぞんざいに扱われていい気はしないのは当然だ」
「連れ、ですか」
「連れている女が丁重に扱われないのは、御門の名に傷がつく」
「……女?」
副社長が私を“女”と括ったのが意外だったから、張りつめていた心の糸が少し緩んだ気がした。
「そうだ。君は女性だろう? 俺なりに丁重に扱っているつもりだが」
「……丁重に、ですか」
「なんだ、文句でもあるのか?」
「ありません。でも……私は、副社長の女なのでしょうか?」
私がそう尋ねると、副社長はきょとんとした様子で数秒見つめ返してきたのち、すぐに破顔した。
「俺の女になりたいなら、それなりに魅力を磨け」
あんなに不機嫌そうだったのに、楽しいことでもあったのかな。
副社長はいつになく上機嫌に見えた。