副社長のイジワルな溺愛
「御門で働いている社員は、私の大切な財産であり同志です。初対面の女性に向かって、働きに来たのかはないでしょう?」
怒り心頭の様子で、副社長は声を一段と低くして話す。隣にいる私まで怒られているようで、思わず身を縮めた。
「誠に申し訳ありません」
「それから君も。私が来店したと軽々しく漏らすなんて信用ならない。それに、隣に座れないくらいで機嫌を悪くするようでは、私の相手は無理だ。今日で指名は変えるからそのつもりで」
すぐに謝った支配人に続き、副社長が指名した女性にも怒りを淡々と告げた彼は、注がれたブランデーを少量含んだ。
「副社長、私は本当に気にしていませんので」
こういう雰囲気は苦手だ。一緒にいる社員もさらに気を使いだしている。
私が構わないと言えば、この場が丸く収まると思ったのに。