副社長のイジワルな溺愛
「君は嘘をつくのが下手すぎる。自分のためと言いながら、明らかに誰かを意識してるだろう?」
「これは、副社長がアドバイスしてくださったので……」
「俺の言うことを素直に聞けるとは、素晴らしい」
副社長は魅惑的な目つきで私を見つめながら、私が口を割るのを待っているようだ。大きく椅子にもたれ、投げかけた問いを撤回してくれる様子はない。
「誰のためなんだ? 場合によっては、手助けしてやらないこともない」
「……好きな人に、振り向いてほしいからです。副社長をこんなことにつき合わせてしまって申し訳ありません」
「全くだ。俺をなんだと思っている」
「申し訳ありません」
魅力を磨けと言われてもどうしたらいいのかわからなかったから、つい頼ってしまった。
本来なら、私用で頼るべき人じゃない。……なんてことをしてしまったんだろう。
それに、あんなに苦手だったはずのなのに、どうして副社長に聞いたりしたんだろうなぁ。もっとちゃんと考えたらよかった。
だけど、理由を聞いても副社長は怪訝な顔をせず、満足そうなままだ。