副社長のイジワルな溺愛
「ここからが室内って決めてるから、その辺で脱いで」
「玄関はどこですか?」
「エレベーターのドアからこっちはもう玄関だ」
まっすぐ伸びる通路の途中に副社長の革靴。振り返るとエレベーターのドアがある。部屋の造りに驚いている間に、副社長の姿が見えなくなっていた。
「お邪魔します……」
小声ですら響く天井の高い玄関で靴を脱ぎ、その先も続く白い大理石の通路を進む。
途中で枝分かれしていて迷っていると、正面のドアから副社長が顔をのぞかせた。
「こっち」
スリッパの音を微かに鳴らしながら入ると、広々としたリビングがあった。
「適当に座って。いま飲み物出すから」
「お気遣いなく……」
豪勢な生活が目に浮かぶようで、あっけにとられて立ち尽くしてしまう。