深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
それより、今は……
「柚姫」
走りながら、しっかりと声に出してみる。
その脳裏には明るく天真爛漫に笑う
彼女の姿を映して。
「…無事で、いて」
そう言って朝の魔莉乃村を梨花と
駆けていく。
そして数分。
体力的にはそろそろ限界だが
私の家から皮肉にも近い
幽霊トンネルはすぐに見えてきた。
「も、もうすぐ、ね…」
ずっと走っている為、途切れ途切れに
息を繋ぎながら莉香が口を開いた。
「うん……大丈夫、柚姫はいないはず…」
莉香に言ったつもりだけど
自分にも言葉を叩き込んで
この胸の不安を打ち消そうとした。
そうして昨日隠れていた
木々の茂みを抜け、開けた視界には……
「……えっ…!」
私達は、ほぼ同時に声を上げると
足の速度を緩めてトンネルを見る。
まず感じた事は、一昨日いた警察と
いう存在がいなかった事だ。
2人が亡くなったのになんで
見張りがいないのかと驚いたが
今が朝の4時だという事を思い出し
納得する。
そしてトンネルの前には、2つの
人影があった。