深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「殺す……!?」
夕焼けの中私の声が草木の多い
魔莉乃村に響く。
「ああ。君にしか出来ない。
媛乃の親友であり……
“この村の創立者の血を引く者”である
神咲魔莉乃だけが出来ることだ」
「あなた…なんで、その事を!?」
私が驚くのも無理はない。
今まで誰にも
言っていなかった事だったから。
私は、この魔莉乃村を作ったお母さんの
子供だった。
そのお母さんはもう他界してるから
私が村長と言ってもいい。
私が村長の娘だったから
この村の魔莉乃という名を
つけてもらったのだ。
私の村が今、破滅の危機にある…?
この男の言っていることを信じていいのか。
「よく考えてくれ。媛乃を生かすべきか、
すべきでないか…決断を…
村の未来を決めるのは、お前だ」
最後に私にそう告げると男達は
背を向け夕暮れの闇へと消えていった。