深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
男が口にした名前は
私の大好きな親友の名前だった。
「ひ、媛乃…が?」
「ああ。媛乃が生まれたトンネルは
もともと戦争の防空壕だった。
そこで多くの命が消えた」
その話は私も何回か聞いたことがあった。
戦争であの村の奥のトンネルは
多くの人が避難に使っていたと。
「…そうして溜まった怨念が
トンネルに捨てられた媛乃に取り憑き
媛乃を魔女にした」
ついていけない。
音速で話が進みすぎていて
さっぱりなにがなんだかわからない。
ただひとつ
この男が話している魔女は、
あの私の親友の媛乃の事だということ。
「そもそも、あなた達はなんで
そのことを?…というか、誰、ですか…?」
「名乗るほどのものではない。
私達はあなたに忠告しに来ただけだ」
「…忠告…?」
「魔女が…媛乃が村を滅ぼす前にトンネルに
閉じ込めて殺すべきだ」