深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
それにしても……
私は幽霊トンネルを
見るのは初めてではない。
でも……
まだ近くで見ていないのに感じる、
その威圧感。
一言で言えば、とても『不気味』だ。
ぼろぼろの字で
「ーーートンネル」と書かれた立て看板が目に入った。
最初の方は掠れていてなんて書いてあるかわからないけれど、
そんな看板がよりこのトンネルを不気味に仕立てている。
トンネルには茨が絡みつき、
まさに肝試しスポットって感じ。
「こりゃ…予想以上だな。」
智弘も乾いた笑いをみせる。
「…ね、ねぇ…恢斗。ほんとにやるの?」
「当たり前です。」
恢斗に恐る恐る聞いた莉香。
でも恢斗はそれにも間髪いれず、答える。
迷いのないその様子には
感嘆するばかりだ。