深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
…あの足音は、警察官が戻ってきた音かもしれない。
トンネルだから遠くまで響いたんだ。
…きっと、そうだ。
「澪夜…」
行きと同じように2列になって歩き始めた私の隣から、突然手が差し出された。
「……」
隣を見ると下を向いて口元をぎゅっと
結んでいる莉香が目に入った。
莉香の意図がわかり、淡く微笑んで
そっとその手を握った。
視界が暗がりで悪い中、
隣から伝わる体温は
ひとりじゃない、って事がわかるから
私にささやかな安心感をくれた。
…ドンッ!
「!?…いたっ」
突然の衝撃。
下を向いて暗がりを見ないように歩いていた私と莉香。
なにかにぶつかった…?