深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「よ、よかったぁ…」
柚姫が安堵の声を漏らす。
「…ほんっとにやべぇよ……!」
智弘の声に恢斗が立ち上がった。
「懐中電灯1本だけでは危険ですし……足音の件もあります。悔しいですけど今日は引き返しましょう」
今日は……って。
まさかまた来る気なの!?
「もうやだよぉっ……」
柚姫はふるふると弱々しく首を振った。
「さて、帰りますよ」
恢斗はそんな柚姫をちらっと見ると、
それには答えず
歩き始めた。
…もう2度と来ないようにしよう。
恐怖で体の震えが止まらない中、
私はそう誓った。
気のせいか帰り道はさっきよりも
奥が見えず、暗い気がした。