one’s life~吉木野乃花の人生、全四話~
第三話:自立への道
その後はレーシングカーやウォーターアトラクション、ステージショーなどを昼食を挟みながら楽しんだ。


夕暮れになり『次が最後かな』という翼くんの言葉に『最後にあれに乗りたい』と観覧車を指しお願いをした。


観覧車が終盤の乗り物であることをあらわすかのように、昼間にはなかった列ができている。


それでも、観覧車は大きく定期的に人が乗り降りをしているため、長く待つことはなかった。


観覧車に乗ると直ぐに翼くんは『今日、楽しかった?』と聞いてきた。


『うん、すっごく楽しかった』

『そっか。…俺さ、やっぱり家を出ようと思ってるんだ』


『…県外に進学するってこと?』


『いや、今すぐにでもって思ってる』


『どうして急に?』


『両親が麗子と婚約しろって言ってきたんだ』


『麗子ちゃんと?』


『ああ。今までだって何かと押し付けられてきたけど、こればっかりは耐えられない』


『麗子ちゃんは何て?』


『こうなる運命だったって』
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