one’s life~吉木野乃花の人生、全四話~
第四話:最後まで、諦めない
「もう、びっくりしたんだからね」


「そうだよ。学校に来てないと思ったら入院してるだなんて」


麻美ちゃんから入院のことを聞き、美奈子ちゃんと七織ちゃん、高史くんまでもお見舞いに来てくれていた。



寝不足だったことや長時間雨に打たれていたこともあり、私はあの改札口の前の歩道で倒れてしまったらしい。


その後直ぐに救急車で運ばれ、目が覚めると病院に居た。
右手に温もりを感じ、視線を向けるとママが手を握ったまま眠っていた。


『ママ…』


私の声に反応し、ママが起きる。


『望美っ、ごめんね。ごめんね。…ごめんね』


私を抱きしめ、ママは泣きながら何度も『ごめんね』と繰り返していた。


ママは、麗子ちゃんに貰ったあの封筒を家で見つけ、私が全て知ってしまったということを知ったらしい。


そんななかでのこの入院で、ママは自分を責めたに違いない。


どんな時でも仕事を休まなかったママが、仕事に行かずに私の手を握っていたのだ。

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