誰も知らない彼女
びっくりしすぎて言葉が出てこない。
秋帆たちの会話が全然聞こえなくなる。
なにも言わずに黙っていると、もとの表情に戻した由良が私の顔を覗き込んだ。
「抹里、どうしたの? さっきからずっとポカーンと顔しちゃってさ」
由良の言葉で我に返る。
由良だけではなく、会話をしていた秋帆たちもこちらを見ていた。
「いや、まさか由良と秋帆が朝丘さん側の女子ふたりを言い負かすなんて予想してなかったから……」
そう言いながら苦笑いを浮かべる。
そんな私に、由良と秋帆が一瞬目を丸くさせた。
「そんな〜、気にしなくていいって。私たちは抹里のために言い返したんだから」
「そうよ。抹里のほうが朝丘よりもずっといいんだってことを知らせたかったし。なんなら私、学校にいる間は抹里のボディーガードやってもいいよ」
えっ、そんな……。
そんなことしなくたっていいのに。
いくら若葉を嫌っていると言っても、無理してあんなことを言う必要はないと思う。
ふたりにそう言おうと思ったが、ふたりが「朝丘、マジでウザいよね〜」と言い合う姿を見ると、なぜか言えなくなる。
「私も。八戸さんと高島さんの言葉が正しいよ。だって、榎本さんが傷ついたら我慢できないもん」
秋帆たちの会話が全然聞こえなくなる。
なにも言わずに黙っていると、もとの表情に戻した由良が私の顔を覗き込んだ。
「抹里、どうしたの? さっきからずっとポカーンと顔しちゃってさ」
由良の言葉で我に返る。
由良だけではなく、会話をしていた秋帆たちもこちらを見ていた。
「いや、まさか由良と秋帆が朝丘さん側の女子ふたりを言い負かすなんて予想してなかったから……」
そう言いながら苦笑いを浮かべる。
そんな私に、由良と秋帆が一瞬目を丸くさせた。
「そんな〜、気にしなくていいって。私たちは抹里のために言い返したんだから」
「そうよ。抹里のほうが朝丘よりもずっといいんだってことを知らせたかったし。なんなら私、学校にいる間は抹里のボディーガードやってもいいよ」
えっ、そんな……。
そんなことしなくたっていいのに。
いくら若葉を嫌っていると言っても、無理してあんなことを言う必要はないと思う。
ふたりにそう言おうと思ったが、ふたりが「朝丘、マジでウザいよね〜」と言い合う姿を見ると、なぜか言えなくなる。
「私も。八戸さんと高島さんの言葉が正しいよ。だって、榎本さんが傷ついたら我慢できないもん」