あなたしか見えないわけじゃない



3か月後に結婚式を挙げる。


私はもう『あなたしか見えない』女の子じゃない。

洋介に守られる幸せを知り
洋介を支える幸せを知り
洋介と共に歩む未来があることを知った。

『あなたと自分の幸せを信じて進む』女性だ。

これから先に何があっても洋介と一緒なら乗り越えていけるはず。



「志織」

洋介が呼んでいる。
んー。いい香り。
せっかちな私より洋介の淹れたコーヒーの方が断然美味しい。

「はぁい。今、行く」

テラスにいた私は走ってダイニングにいた洋介の背中に飛びつく。
「洋ちゃん、大好き」

「そんなの、知ってるよ」
少し口角を上げて優しく笑った。



ずっとあなたの隣を歩いて行けますように。




fin
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