あずゆづ。
「……だから、こうしてゆづくんと話せて、嬉しいなって」
……私、何言ってるんだろう。
考えていること、ゆづくんに対して思っていること、感じていることがたくさんありすぎて。
うまく、まとめられないや。
「喫茶店でも、みんなにはわからない
私たちだけの合図したりとか
ゆづくんがメッセージくれたりとか
お、男の人に絡まれてるところも、助けてくれたりして」
えへへ、さっきのことを思い出したらまたにやけてきちゃった。
おかげでドクドクと血の勢いが増してきている。
「ほんとに、嬉しくて」
「お前」
「?」
ずっと黙っていたゆづくんが突然口を開いたから、私もなにかと、隣にいる彼へと視線を移す。
「何のつもりだ?」
「え」
ゆづくんは、いつの間にか空ではなく、まっすぐ私を見ていた。
赤い瞳は、夕焼けに染まっていつもよりオレンジ色に近い色になっている。
きれいだなあなんて、悠長にそんなことを考えていた。