あずゆづ。
***

「―――………ん…」


目を開けると、周りはすでに真っ暗になっていた。


……体が痛い。

かたいものの上に横になってる……のかな?


だけど、頭だけはあったかい何かに優しく乗せられていて。

おでこにはなにか、ひんやりとしたものが当てられていた。


そして私の目の前には、うっすらとゆづくんの寝顔が……


「!!!?」


ゆゆゆゆゆづくんの寝顔!!?


何度かまばたきを繰り返しても、やっぱりゆづくんだ。


……ゆづくんが寝てる!!


ま、まって落ち着いて私!!!

状況を整理して!!!


私はさっき、鼻血を出しすぎた。

案の定また貧血を起こし、気を失って私はその場に倒れた。

そこまでは覚えている。


そして、私が横たわっているこの固いものは、さっきまでゆづくんと一緒に座っていたベンチだ。

……けど頭のこのあたたかいのは……


「!!?」


もしかしてゆづくんのフトモモ!?

ゆづくんに膝枕してもらっちゃってるってことだよね!?

う、うわあああ


しかもゆづくん、私に膝枕してくれちゃったまま寝てるよ!!

ゆづくんの寝顔だ!!!

いつも荒々しい表情のゆづくんの穏やかな寝顔だ!!

か……っわいいいいい………!!!




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