あずゆづ。

私は人差し指を立てて、ゆづくんに向かって構えると。


「ゆ、づ、くん」


ゆづくんの名前を一文字ずつ呼ぶごとに、ほっぺをふにふにとつついてみた。


「わ~、意外とやわらかい……」


鼻も、眉毛も、目も。

こうして見ると、全部が全部整ってるなあ…って。


「っ」


ふと、唇に目がいった。


「……」


そして、何を思ったのやら、

私の人差し指は、ゆづくんのほっぺから唇へ、ゆっくり移動していく。


「……ふおおお……」


ゆづくんの唇も……や、やわらかい……!!


「……ん、」

「っ!!!!」


ゆづくんの寝言!?

今の寝言!?

きゃあ!

きゃああ!!


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