あずゆづ。

「なんで、俺を避けるんだよ!?」

「……っ」


叫びともとれる、ゆづくんの言葉。

私はギリッと、歯を食いしばった。


「だって……」


だって。


「だって、ゆづくんのこと見てると、苦しいんだもん…!!」

「はあ!? 意味ねえよ!! ちゃんとわかるように説明しろよ!!」


私の言葉を聞いたゆづくんは、負けじと声を荒げてくる。



「自分でもわかんないんだもん……!!!

ゆづくんを見ると胸がドキドキして

なのにきゅうんって苦しくなって

だんだん全身まであっつくなってきて……」


両手で、顔を覆った。

だってだって、やっぱり恥ずかしい。


「こ、こんなふうになるの初めてで……っ、自分が自分じゃないみたいなんだもん……!!」


半泣きで、思う全てをゆづくんにぶつけた。


「……っ、そういうこと大声で言うな!!」

「言えって言ったのゆづくんじゃん!!」


……もう。

なんでこんな時に喧嘩なんてしてるんだろ、私たち。


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