あずゆづ。

ゆづくんは突然叫び出す。

だからすごくびっくりする。


「てめえ昨日のこと、誰にも話してねぇだろうな!?」

「昨日のって、メイド服の……」

「黙れ!!!」

「ええっ」


もう!

ゆづくん叫んでばっか!!

話し合い(?)にならないじゃない!!


「は、話してないよ」


私がそう答えるとゆづくんは少し落ち着きを取り戻したのか、表情が鬼から本来のゆづくんに戻った。

というか、ゆづくんの秘密がどうこうよりも、大事なことを確認しなければならない。


「ゆづくんこそ、私の秘密……誰にも言ってないよね!?」


ゆづくんのワイシャツにつかみかかって必死に聞くと。


「あ?てめえが俺の絵ェ描いてたことか?」


ゆづくんはさもどうでもいいかのようにぽかんとしてそう聞いてきた。


「いいい言わないでえええっ!!」

「るっせえなクソメガネ!!」


いざ口に出して言われると、余計に恥ずかしすぎる。


半泣き状態でゆづくんの言葉を遮るように大声を出す。

同時にゆづくんのワイシャツをぎゅうっと握りしめた。



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