あずゆづ。
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着いた先は、なんと私がいつもスケッチをしていた大きな木の下だった。
そういえば、ゆづくんの筋肉ストーカーをしはじめてわかったことだが、昼休みゆづくんたちはここでご飯を食べてるんだった。
けど、周りを見ても岡本さんが見当たらない。
「秋ならいねーよ」
「なぜです?」
「てめえがまた変なこと言うかもしれねーからに決まってんだろバァカ!!!」
「うあ、はいスミマセン…」
バァカと怒鳴り散らす声とは裏腹に、ストンと優しく私を降ろしてくれたゆづくん。
ああ、ついにパーフェクトマッスルから離れてしまった…。
「……なに、さみしそうな顔してんだよ」
「え?」
ハッ…
ば、ばれてしまったか!?
ゆづくんのパーフェクトマッスルにもっと触れていたいと思っていたことが
ばばばバレてしまったか!?
やばい、どうしよう!!!?
どうごまかしたらいい!?
口元に手を当てて返答に困っていた時。
「おら、いつまでもマヌケ面してねーで食えよ」
しかしゆづくんは、そのままドカッとその場に座る。
そして来る途中に寄った購買のパンを開けて、大きな口を開けてもしゃりと食べ始めた。