あずゆづ。
***
「……と、いうわけなんです」
ひよりの机に対面するようにして座り、さっきあったことをざっくりとまとめてひよりに話した。
私がゆづくんの筋肉に惚れ込み、スケッチさせてもらっていたことは話したけど、ゆづくんの秘密は話していない。
ひととおり私の話を聞いたひよりは、大きくため息をついた。
「それはあずが悪い」
「えええ!?」
や、やっぱり私が悪いの!?
何となく感じてたけどさ!
なんていうか、雰囲気的に私が悪いのかなっては思っていたけど!!!
「ぐ、具体的にどの辺が……!?」
「その天然でバカでポケポケなとこ」
「全然具体的じゃない……!!」
あああ、私、一体何をしてしまったんだろう……。
せっかくあそこまでゆづくんと仲良くなれたような気がしていたのに、私、どこで間違えてしまったんだろう。
「もう、ゆづくんに嫌われちゃったのかな……」
ゆづくんはちょっぴり怖いけど、仲良くなれた気がしてた。
けど、あんなふうに遠ざかって行ってしまって、やっぱり正直寂しい。
しゅんとしてそう呟くと。
「………はあ…」
頬杖をつきながら、再度ため息をついたひより。
「そんなにため息ついたら幸せ逃げるよ、ひより」
「誰のせいだ誰の」
「あいてっ!」
すぐさまひよりにチョップを食らう。