過保護な騎士団長の絶対愛
 ガイルに掴まれていた顎をさすると、その様子を見ていたサランと目が合った。

「ありがとう」

「なにがでしょう?」

「あなたが止めてくれなかったらと思うと……」

 その先のことを想像するだけで身震いしてしまう。

 サランは一瞬、表情を和らげたが再びいつもの無表情に戻ってしまった。

「お食事をお持ちいたしますので、お掛けになってお待ちください」

「……わかった」

 サランが部屋から出ていくと同時に、カチャンという鍵をかける音がした。ただひとり部屋に残されたララは、これからどうしようかと考えを馳せた。
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