過保護な騎士団長の絶対愛
「姫様? いかがなされましたか?」
「え……?」
俯きながら、朝から浮かない顔でじっと紅茶を凝視しているララを怪訝に思ったのか、サランが軽く覗き込むように見る。
「ひとつ、わがままを言ってもいい?」
「はい?」
「私、紅茶は濃いのが好きなの、それから砂糖ではなくてハチミツを入れるのが好き」
テーブルに並んでいるのは、可愛らしいガラスの容器に入った真っ白な砂糖。
「左様でございましたか、すぐに用意いたします」
息苦しいほどの部屋に監禁されているのだから、このくらいの自由はあってもいいだろうと、ララは用意されたハチミツをティースプーンに取ると色濃い紅茶に沈めた。ゆらゆらとハチミツが紅茶に溶けて、甘みを増した紅茶の色味がさっと変わっていく。
「ララ様……」
そんな様子をサランは傍で目をやんわりと細めていた。まるで、なにか懐かしんでいるかのような表情。
「サラン?」
「失礼いたしました。つい、その……昔のことを思い出してしまいまして」
ララに声をかけられると、サランはハッとして背筋を伸ばした。
「昔のことって……?」
ティースプーンをソーサーに置くと、ララはサランに視線をやる。
「え……?」
俯きながら、朝から浮かない顔でじっと紅茶を凝視しているララを怪訝に思ったのか、サランが軽く覗き込むように見る。
「ひとつ、わがままを言ってもいい?」
「はい?」
「私、紅茶は濃いのが好きなの、それから砂糖ではなくてハチミツを入れるのが好き」
テーブルに並んでいるのは、可愛らしいガラスの容器に入った真っ白な砂糖。
「左様でございましたか、すぐに用意いたします」
息苦しいほどの部屋に監禁されているのだから、このくらいの自由はあってもいいだろうと、ララは用意されたハチミツをティースプーンに取ると色濃い紅茶に沈めた。ゆらゆらとハチミツが紅茶に溶けて、甘みを増した紅茶の色味がさっと変わっていく。
「ララ様……」
そんな様子をサランは傍で目をやんわりと細めていた。まるで、なにか懐かしんでいるかのような表情。
「サラン?」
「失礼いたしました。つい、その……昔のことを思い出してしまいまして」
ララに声をかけられると、サランはハッとして背筋を伸ばした。
「昔のことって……?」
ティースプーンをソーサーに置くと、ララはサランに視線をやる。