過保護な騎士団長の絶対愛
 どうして、こんなことに――。

 ガイルの目的は自分ではなく。ユリウスだった。それならばユリウスの身が心配だ。きっと忽然といなくなってしまった自分を血眼で探しているに違いない。


 ユリウス……お願い、探しになんて来ちゃだめ――。


「ララ様」

「ッ――!」

 その時、自分の嗚咽に交じって声が聞こえた。ララははたっと泣くのをやめ、顔をあげる。

「誰?」

「私です、サランです」

 鉄格子越しにサランがさっと姿を現した。閉じ込められたララの姿を見て痛々しいものでも見るかのように眉尻を下げる。

「このような主君の暴挙、どうかお許しください」

 許せ……ですって――?

 ララはサランの言葉に怒りさえ覚えた。そんな感情が表情に出てしまったのか、サランが慌てて言葉を続ける。


「ララ様、ご気分を害されたのなら申し訳ございません。少し、思うところがありまして、ここにやってきました」

「思うところ……?」


 ――それではユリウス様と同じです!

 ふと、サランが昨夜ガイルに口走っていた言葉を思い出した。ララは立ち上がると、サランのもとへ歩み寄って、鉄格子を両手でぐっと握った。
< 138 / 203 >

この作品をシェア

pagetop