過保護な騎士団長の絶対愛
※ ※ ※


 ――あなたにできることはユリウス様を心から信じ貫くことです。

 サランに言われた言葉を何度頭の中で反芻し、口で呟いてみたかわからない。

 ララは冷たく、なんの温かみも感じない地下室でひとり、膝を抱えて隅で疼くまっていた。ガイルに乱されたドレスから白い絹のワンピースドレスに着替えさせられ、裾の長いドレスはわざと身動きしづらくさせるために思えてならなかった。


 ユリウスに会いたい。


 そのことだけが、今のララにとって唯一の支えだった。ユリウスのことを考えるだけで胸が熱くなる。そして走ったわけでもないのにドキドキと心臓が高鳴る。十八になって初めて経験する想い。

 私、ユリウスを愛しているんだわ――。

 恋をしていることにやっと気づいたというのに、この想いを伝えたい。そう思ったというのに、なぜ自分はこんなところで閉じ込められているのだろう。

 鼻の奥がツンとしても、涙が枯れた瞳は潤むことさえできなかった。

 何度か見張りの兵士がララの様子を確認しに来たが、声をかけても無視されるだけで、まるで捕獲した動物でも見るかのような一瞥をくれるだけだった。

 こんなところもう嫌――。

 無駄なことだとわかっていても、何度か壁につま先を引っかけて登ってみようと試みた。しかし、窓もなければ通気口もない。ララは精神的にも追い込まれていた。
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