過保護な騎士団長の絶対愛
もう、駄目なのかも――。
ユリウスを信じたい。けれど、心が渇いた音を立てて折れそうになる。ララはゆっくりと冷たい石畳の床に身を横たえると、身を丸く縮こませた。
なにもする術がない。ララの脳が緩慢になっていき、目が虚ろになると意識もぼんやりしてくる。なぜ、こんな時に眠気がやってくるのか、抗えない睡魔に落ちそうになっていた時だった。
「うわぁぁ!」
沈黙を破るように断末魔のような叫び声がして、ララの意識が一気に弾けた。閉じかけていた両目を見開いて、神経を研ぎ澄ます。
な、なに――!?
「ララ様!!」
「え……?」
聞こえるわけのない人の声がする。ララがのっそりと鉛のような身体を起こすと、背にしていた鉄格子から再び自分を呼ぶ声がした。
「ララ様!」
「ッ――ユ……リ……」
肩越しに振り向いてみると、霞がかった視界が徐々に鮮明になる。すると、そこには右手に剣を携えたユリウスが、ララの姿を見るや否や言葉にならない声を押し殺して立っていた。
「ララ様!」
よく見ると、ユリウスの身体にはいくつもの切り傷、刺し傷、その端麗な顔にも生々しい無残な傷があった。
「ユリウス!!」
ようやく現実を理解したララは、もつれそうになる足でよろけながら鉄格子にしがみついた。
ユリウスを信じたい。けれど、心が渇いた音を立てて折れそうになる。ララはゆっくりと冷たい石畳の床に身を横たえると、身を丸く縮こませた。
なにもする術がない。ララの脳が緩慢になっていき、目が虚ろになると意識もぼんやりしてくる。なぜ、こんな時に眠気がやってくるのか、抗えない睡魔に落ちそうになっていた時だった。
「うわぁぁ!」
沈黙を破るように断末魔のような叫び声がして、ララの意識が一気に弾けた。閉じかけていた両目を見開いて、神経を研ぎ澄ます。
な、なに――!?
「ララ様!!」
「え……?」
聞こえるわけのない人の声がする。ララがのっそりと鉛のような身体を起こすと、背にしていた鉄格子から再び自分を呼ぶ声がした。
「ララ様!」
「ッ――ユ……リ……」
肩越しに振り向いてみると、霞がかった視界が徐々に鮮明になる。すると、そこには右手に剣を携えたユリウスが、ララの姿を見るや否や言葉にならない声を押し殺して立っていた。
「ララ様!」
よく見ると、ユリウスの身体にはいくつもの切り傷、刺し傷、その端麗な顔にも生々しい無残な傷があった。
「ユリウス!!」
ようやく現実を理解したララは、もつれそうになる足でよろけながら鉄格子にしがみついた。