過保護な騎士団長の絶対愛
 アルカーナ大陸で最も権力のあるコルビス王国はその昔、隣国であったヴァニス王国に侵略目的で襲撃を受けたが、圧倒的な兵力と国王の先導力でもってすぐさま迎撃に成功した。


コルビス国王であるモリス・スイーダ・ウェインが、兵を引き連れてヴァニス兵の撤収を求めにヴァニスの城を訪れた日、コルビス王国襲撃失敗をきっかけに、内部分裂も起きて国民の支持を失った国王クリフトが玉座で息絶えていた。


それは目を背けたくなるほどの無残な死に様だった。


 ヴァニス王国の唯一の王位継承者である王子は亡命したのか、行方不明。


 モリスが混乱のヴァニス城を視察している時、地下室に幽閉されているユリウスの存在を知った。このまま放っては置けないと、情深いモリスはユリウスを救出することにしたのだった。



 ララは十八歳になるまでに、国内外で過去に何が起きたのかという昔話しはモリスから聞かされていたためよく知っていた。


しかし、ララはユリウスと出会って十年も一緒にいるというのに、ユリウスの出生や過去のことについては一切何も知らなかった。
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