過保護な騎士団長の絶対愛
「あなたに世話役を任命されて、こんな光栄なことはないですよ。しかし、ララ様はいずれは殿方の――」


「いや! やめてユリウス」


 聞きたくない。とララはぶんぶんと首を振った。ユリウスに教えてもらえるならと大嫌いな勉強も頑張った。しかし、ここから離れてどこかへ嫁ぐことなんて考えたくなかった。


「私より強い人でなきゃ、好きにもなれないんだから、今日会ったシールア王国の王子、ユダ様なんて、剣の手合わせして頂いたのだけれど、全然構えもなってなくて――」


「ぷっ」


 前のめりになって懸命にユリウスに訴えると、彼が噴き出した。あまり笑顔を見せないため、噴き出されたことよりもララはその笑顔に言葉を止めた。


 ユリウスが笑ってくれると、私も嬉しい――。


 笑った理由は何でもよかった。ただ、ララはユリウスの笑顔を見ていたかった。
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