過保護な騎士団長の絶対愛
 その日の夕食時。


 珍しくモリスが三人の娘たちと食堂で夕食をとるとのことで、ララは食堂でいつもの自分の席に座った。


 はぁ、憂鬱だ――。


 おそらく、今日のお見合いを逃げ出したことを咎められるに違いない。だとしたら、わざわざ姉たちの前でしなくてもいいではないのかと、モリスの意図が読めずにララは悶々としていた。


 王族用の食堂で一番目立つのは、キラキラと輝く豪華なシャンデリアが天井にひとつ。左右には十席ずつ設けられた真紅の布張りの木製椅子が並べられている。


大理石の床には金の刺繍の入った絨毯が敷いてあり、高貴な雰囲気が漂っている。木製のダイニングテーブルには真っ白なテーブルクロスがかかっていて、その上にジランドールと呼ばれる枝つき燭台には六本の蝋燭の灯が揺れていた。


 ララの向かいにはコルビス王国第一王女であるシンシアが羽の扇でそよそよと扇ぎながら優雅に座っている。シンシアはララの五つ上で、いまだ独身。パニエで膨らませたドレスが好みで、コルセットで絞った細い腰をいつも自慢している。

シンシアは縦にカールさせたブロンドの髪を指でいじりながら、モリスを待ちわびていた。そして斜め向かいに座るのは、第二王女のスカーラ。


彼女は自称占い師でシンシアとは違い、ドレスではなくいつも足元まである黒いローブを身に纏っていた。肌身離さず持っている水晶玉が、シャンデリアの光に反射して神秘的に煌いている。ララよりも三つ年上で彼女もまた独身であった。
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