過保護な騎士団長の絶対愛
「ユリウスはヴァニスのことを思い出したりしない?」

 ふと、ララが不安じみた声でユリウスに尋ねる。

「いいえ、そもそも、外に出ていた記憶があまりない。だから、なにも思い出すことなはいな」

「そう、それならいいのだけれど。あ! 明日、早速王都に行ってみたいわ」

 ララは身を起こしてユリウスを向き直る。

「王都はまだ建設中の場所が多い、あなたが行くとかえって危険だ」

「もう、ユリウスは相変わらず過保護なんだから、大丈夫よ」

 見た目は大人びても、やはり中身は変わっていないのだと思うと、ユリウスはララを一層愛おしく感じた。


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