過保護な騎士団長の絶対愛
 気が付くと、ララは和やかな表情のユリウスの腕の中にいた。過ぎ去った嵐のような感じだった。ララはもぞもぞと身体を捩ってユリウスの厚い胸元へすり寄って彼を見上げた。

「気がついたか? あなたは途中で気を失ってしまった……すまない、無理をさせた」

 気遣うような口調で、ユリウスはララの肩を引き寄せた。

「ユリウスの馬鹿、私……すごく、痛くて、不安で……でも、私、やっとあなたのものになれたのね?」

 そっとユリウスの手が、いまだに紅潮しているララの頬に触れ、親指で何度も撫でた。

「あなたは、もう俺のもので、俺はあなたのものです。愛している」

「私も、ユリウスが好き。愛してる……私だけを見ていて欲しい。その瞳で私をみつめて、一生私に恋することを教えて……」

 ララがそういうと、ユリウスはなにも言わずにその額に唇を寄せた。

 ララは腕を伸ばしてぎゅっとユリウスの身体にしがみつくように抱きしめた。そんなララをユリウスはこの上なく愛おしい気持ちで、そっと頭を撫で続けた。
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