過保護な騎士団長の絶対愛
「ララ、お前は今日、ユダ王子とのお見合いを台無しにしたそうだな」


「ぶっ!」


 モリスの低い声で一気に地獄へ突き落とされた気分になった。


 な、なによ……何も今言わなくたって――。


 思わず噴き出してしまった口元をナプキンで拭う。


「ホホホ、ララ。あなたまたしでかしたのね?」


 シンシアが扇で口元を隠しながら声を立てて笑った。この手の話しにすぐに食いつくのはシンシアだ。


「まぁ、女性でありながら殿方がやるような剣術や護身術が好きなんて、ユダ様もそんな男勝りな奥方はお嫌でしょうに」


「そ、そうなの! だから、お断りしたっていうか……」


 男勝りで悪かったわね――!


 しかし、今はシンシアの話に乗っかって誤魔化すしかない。モリスはふぅんと髭を指で摘みながら言った。


「ユリウスのように腕の立つ剣使いにお前を任せたのも、かえって裏目に出てしまったか……」


「そんなことない! 私は自分よりも強い人じゃなきゃ嫌なだけ」


「ホホホ、あなた益々野蛮になったわねぇ」


 面白半分に揶揄するシンシアにララはぐっと睨みつけた。
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