過保護な騎士団長の絶対愛
「やっ!!」
鋭い刃先を煌めかせ、鋭く空気を切る音が響く裏庭。
満月の夜は木々の根元に咲いている花までよく見える。女がこうして剣を振るっている姿を城の皆に見られるのはあまりいいことではない。現に“男勝りの姫君“と噂されているのもララは知っていた。しかし、ユリウスは敢えて自分の身は自分で守るため、と世話役についてからすぐに技術を指南した。
額から汗の粒が跳ね、ぐっと腕を伸ばして剣先を突き出したその時だった。
「脇が甘いですね。そのような構えでは、すぐに剣を弾かれてしまいます」
「っ!?」
練習に夢中になっていて、近づく気配にまったく気づかなかった。ララはハッとして声のした方へ向き直ると、月明かりに照らされたユリウスがふっと笑って立っていた。
「ユリウス……」
「剣筋が乱れてるようですが、何かあったのですか?」
何も言わずともユリウスはお見通しのようだ。前開きに長袖の黒を基調としたロングコート。そして腰で軽く絞ったいでたちは、コルビスの軍事に関わる男性の夜の装いだ。
ユリウスもまた、ララの世話役といえど、本来所属しているのはコルビスの軍だ。近年では国同士で争うこともなくなったが、コルビス王国では敵にすぐ目に付くような服装を今でも禁じている。
鋭い刃先を煌めかせ、鋭く空気を切る音が響く裏庭。
満月の夜は木々の根元に咲いている花までよく見える。女がこうして剣を振るっている姿を城の皆に見られるのはあまりいいことではない。現に“男勝りの姫君“と噂されているのもララは知っていた。しかし、ユリウスは敢えて自分の身は自分で守るため、と世話役についてからすぐに技術を指南した。
額から汗の粒が跳ね、ぐっと腕を伸ばして剣先を突き出したその時だった。
「脇が甘いですね。そのような構えでは、すぐに剣を弾かれてしまいます」
「っ!?」
練習に夢中になっていて、近づく気配にまったく気づかなかった。ララはハッとして声のした方へ向き直ると、月明かりに照らされたユリウスがふっと笑って立っていた。
「ユリウス……」
「剣筋が乱れてるようですが、何かあったのですか?」
何も言わずともユリウスはお見通しのようだ。前開きに長袖の黒を基調としたロングコート。そして腰で軽く絞ったいでたちは、コルビスの軍事に関わる男性の夜の装いだ。
ユリウスもまた、ララの世話役といえど、本来所属しているのはコルビスの軍だ。近年では国同士で争うこともなくなったが、コルビス王国では敵にすぐ目に付くような服装を今でも禁じている。