過保護な騎士団長の絶対愛
「どうしてここに?」


「たまたま通りがかっただけです。今夜はいい月が出てるので、夜の散歩でもと……」


「そう、だったらちょうどよかった。お手合わせ願えない?」


 ララが腰に手を当ててニコリとすると、ユリウスもまた笑みを浮かべた。


「えぇ、いいですよ。あなたの腕がどれほど上達したか、お手並み拝見といきましょうか」


 ユリウスが口元を歪める。この不敵な笑みは、いつもララを背筋からぞくりとさせる。


 週に一度はユリウスに剣術を習い、自主的に鍛錬しているというのに、ララはいまだにユリウスから一本も取ることができないでいた。それがどうしても悔しくてならなかった。


 ユリウスが腰から剣を取り出すと、月に照らされて剣が鈍く光る。切っ先が向けられると、ララは振りかぶって容赦なくユリウスに切りかかった。


「やぁっ!」


 気勢を声で発しぶつかり合う金属音が響く。ユリウスは眉ひとつ動かすことなく、まるでララの動きをすべて先読みしているように身を翻して対峙する。ユリウスの動きは無駄がなくいつ見ても完璧だった。彼の剣筋に憧れているのはなにもララだけではない。ユリウスの部下たちもユリウスのようになるべく日々鍛錬に励んでいる。


 何度も剣が交わり、火花を散らす。
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