過保護な騎士団長の絶対愛
 間髪入れず攻め込んでいるというのにユリウスはまだまだ余裕の笑みを浮かべている。その挑発的なユリウスの表情にララは苛立ちを覚えた。


「ララ様、腰が引けてませんか? それでは敵に見透かされてしまいますよ?」


「く……」


「まだまだ、振り下ろす力が弱いようですね」


 ユリウスの挑発じみた言葉に、ララの気持ちが乱される。そして彼もまた、手加減なしでララに切りかかった。


「きゃっ」


 ユリウスが繰り出す閃光に慌ててその剣を受け止めたはいいが、ずしりと重みがのしかかってくる。ユリウスにはまったく隙がない。どう切り込むか、右か、左か。ララは唇を噛み、足を踏み込んだその時だった。


「っ!?」


 ユリウスに全部の集中力を持っていかれたせいか、地面から突き出た石に気づくことができなかった。ララは勢いあまってつんのめると体勢を崩してしまった。


「ララ様!」


 前に倒れこもうとするララを咄嗟に抱きとめようと、ユリウスが両手を伸ばしたその時、ララがにやりと笑った。


「ユリウス! 隙あり!」


「っ――」
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