過保護な騎士団長の絶対愛
 コルビス王国の王都は、アルカーナ地方でも大都市で、経済、商業、の核が集中している賑やかな都だった。


 ララは第三王女で、式典があっても特に目立つこともなく、あまり国民から顔も知られていない。それはララにとってそれは都合がよかった。堂々としていられるし、ドレスなど着用しなくとも乗馬服のような身軽な軽装でも誰にも咎められない。

しかし、いつなにが起こるかわからないため、ユリウスもララも腰に剣を携えて、隠すようにローブを羽織っていた。モリスもララの視察に関しては、王族の公務の一環として認めてはいるが、むやみやたらに身分を明かさないことと、ユリウスを必ず共に連れて行くということ、という最低限の条件があった。


 王都は城から出て木製の重厚な門をくぐるとすぐ入り口に入る。しばらく道なりに歩くと中心街だ。


「今日も賑やかね」


 中心街のシンボル、メイスの噴水が太陽の光を受けて煌いていた。石畳が広がって、人々が忙しなく行き交っている。花売りや、果物や野菜の出店が軒を連ね、城での生活とは違い、その活気ある雰囲気にララも高揚感を隠せない。
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