過保護な騎士団長の絶対愛
肩からユリウスの手が離れ、我にかえると遠目に川が見えた。
「あれは……」
一部の橋が壊れかけている。ずっと長い間修繕せずに放置されているようだった。
「城もずいぶん古くなってしまった部分はあるけど、王都のために改善することを優先するべきよね、父上はあの橋のことを知っているの?」
「いえ、定かではありません」
「じゃあ、知らせないと、無理に渡って怪我人が出たら大変だし」
シンシアやスカーラが同じ光景を見ても、おそらくララのようなことは思わない。ユリウスは、時々ララが男であれば良い統率者になるのではないかと、ふと思う。
しばらく歩くと、多くの女性が出入りしているような雑貨店の前にたどり着いた。
「ララ様、おそらくここに髪飾りが売っているのではないかと思いますよ」
真っ白な外観で、赤い屋根の小さな店はララの興味をそそった。胸を弾ませながら店に入ると、石を削って作った動物の置物や、宝石を散りばめたアクセサリーが目に入る。
恋人たちが寄り添い、仲睦まじげに品定めに夢中になっていた。奥の棚に、数多くの髪飾りがまるで花畑のように並んでいるのが目に入って、ララはぱっと顔を輝かせて歩み寄った。
「すごい、どれにしようか迷うなー」
右にも左にも手に取りたくなるような髪飾りが煌めいている。
すると、コルビス王国の国花であるトレイビーの造花がついている金の髪飾りに目が留まる。トレイビーは五枚の小さな白い花びらがついていて、この国のどこにでも目にするポピュラーな花だ。祝い事や式典などでも必ずあしらわれる。
「あれは……」
一部の橋が壊れかけている。ずっと長い間修繕せずに放置されているようだった。
「城もずいぶん古くなってしまった部分はあるけど、王都のために改善することを優先するべきよね、父上はあの橋のことを知っているの?」
「いえ、定かではありません」
「じゃあ、知らせないと、無理に渡って怪我人が出たら大変だし」
シンシアやスカーラが同じ光景を見ても、おそらくララのようなことは思わない。ユリウスは、時々ララが男であれば良い統率者になるのではないかと、ふと思う。
しばらく歩くと、多くの女性が出入りしているような雑貨店の前にたどり着いた。
「ララ様、おそらくここに髪飾りが売っているのではないかと思いますよ」
真っ白な外観で、赤い屋根の小さな店はララの興味をそそった。胸を弾ませながら店に入ると、石を削って作った動物の置物や、宝石を散りばめたアクセサリーが目に入る。
恋人たちが寄り添い、仲睦まじげに品定めに夢中になっていた。奥の棚に、数多くの髪飾りがまるで花畑のように並んでいるのが目に入って、ララはぱっと顔を輝かせて歩み寄った。
「すごい、どれにしようか迷うなー」
右にも左にも手に取りたくなるような髪飾りが煌めいている。
すると、コルビス王国の国花であるトレイビーの造花がついている金の髪飾りに目が留まる。トレイビーは五枚の小さな白い花びらがついていて、この国のどこにでも目にするポピュラーな花だ。祝い事や式典などでも必ずあしらわれる。