過保護な騎士団長の絶対愛
「お、兄ちゃん、連れがいるんじゃ今日はまずいか？」


　歩いていると、ふと横から声をかけられる。目をやると、小屋のような小汚い店の前で背の低い中年の男がニヤニヤしながらこちらを見ていた。


「……貴様、連れがいる時は声をかけるなと言ってあっただろう」


　ユリウスの鋭い目に男がたじろぎ、ララに聞こえないようにユリウスが小声で言った。


「おっと、ごめんよ、いい武器が入ったからさぁ、つい声かけちまった」


　考え事をしていたせいで、ララを連れてユリウスはうっかり行き着けの武器屋の前を通ってしまった。ユリウスはララと視察に来る際は、この道を通るのは避けていた。

武器屋が並ぶ通りだ。物騒な輩も少なくはない。ユリウスはすぐにでも引き返そうとしたが、いい武器と言われれば気になってしまう。ララを護衛する上で、都合のいいものが見つかるかもしれない。あとで、夜にでもひとりでくればいいことだが、ここの武器屋は一部アングラなものが手に入る。


　たとえば銃とか。
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