過保護な騎士団長の絶対愛
「ユリウス?」


 ふたりで何を話しているのだろうか。ユリウスはこの店に用事があるのか。とララが怪訝に声をかけた。薄暗くて先ほどの雑貨店とは打って変わって雰囲気が違う。


「ララ様、ほんの少しだけここでお待ちいただけますか? すぐに戻ります」


「わかった」


 ユリウスが言うようにここで待っていよう。あまり入りたいと思う店でもなかった。ララがそう言うと、ユリウスは店の中へと消えていった。


 ララは店の周囲を改めて見回してみる。中心街からほんの少し離れた場所だったが、なんとなく雰囲気が異様に感じた。中心街ではないからかさほど活気もないように思える。視察も何回かしているが、初めて来る所だった。


するとその時。
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