甘きゅん恋愛のすすめ
なんか面白そうだし、と愛菜ちゃんはにんまり笑ってあたしの背中を押す。
……面白がってる。
「早くしないと、七瀬くんが先に風紀委員会室着いちゃうよ?」
「あ!わわわ、空くん待って……っ!」
愛菜ちゃんにばいばいを伝えて、あたしは急いで空くんの後を追う。
空くんはいつも、歩くのが早い。
足の長さの差かな……?
合わせて歩いてくれたり、しないかな。
「ーーー着いたぞ」
同じ校舎の、最上階3階の、一番奥の部屋。
そこが、風紀委員会室だ。