甘きゅん恋愛のすすめ
部屋の前に立って、あたしは扉を開けられずにいる。
「風花?何したんだ?」
「だって……」
初めて来たもん、こんなところ。
風紀委員会室は、普段立ち入るようなところじゃないし。
なんならこの階にも来たことないくらいで。
それはみんなも同じで、生徒達は見当たらない。
「扉開けろよ。呼び出されてんだろ?」
「う、う、うん……」
そうだった。あたしのパンダのピンのため!
意を決してドアノブに手をかけた、瞬間。