結婚適齢期症候群
今度、あのウィーンでビールを飲むときは、きっと新婚旅行の時ね。

誰とグラスを交わしてるのかしら。

また失恋して旅立ってたらお笑いだわ。

いやいや、冗談でもそんなこと考えるのやめよう。

日曜日の夜は、マキとちょっとエッチな話で盛り上がりながら更けていった。


翌朝。

あー、飲み過ぎたかも。

鏡にうつる自分の顔がむくんでいた。

「お姉ちゃんの顔、ハチに刺されたみたいー。」

妹のユカが私の背後で爆笑した。

ユカは、現在27歳。

最近、婚約者を紹介された。

妹だけど、姉よりも早く結婚が決まったっていう、よくある?パターンだ。

長女ってのは、どうもいけない。

優柔不断で慎重すぎて、そしてタイミングを逃す。
 
昔から妹の方が、何事もうまくこなしてたし、得な人生を歩んでるような気がしてしょうがない。

あんなにわがまま言ってても、親に怒られるのは決まって姉の私。

そして別れてもすぐ彼氏を作るのは間違いなく妹の方が早かった。

姉はどうしてこうも苦労を抱えることが多いんだろう。

「ユカ、結婚式会場はもう決まったの?」

私に気を遣ってか、なかなか結婚の話をしたがらないユカに尋ねた。

気を遣われる方がかえって気分が悪いもんだってことがわからないのかしら。

「ああ、まぁね。」

「どこ?」

「ほら、従妹のマユミが挙げてたウィーンホテル。あそこお料理もおいしいし、雰囲気も抜群じゃない?」

ウィーンホテル、ね。

最近、オーストリアづいてるわ、なんて思いながら頷く。


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