君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
7 目的

情婦

「あっ……あん! んん……あぁ。レ……イ様! んっ!」
女性の欲情にまみれた声が休みなく聞こえてくる。

(まだ続けてらっしゃる……)

レイが目覚めてから5日。
快癒したことは喜ばしいが、体力の回復に比例して夜の体力も増しているらしく、連日女性と激しい夜を過ごしていた。

昏睡状態から目覚めたあの日以来、小さいながらも何かが少しずつ変わった気がする。

そして、もう一つ。

「レイ様、おはようございます」
「おはよう」
そっけない返事。

この5日というもの、レイの機嫌があまりよくなかった。
お怒りを買うようなことをしたつもりはないし、無視されているわけではないのだか、どことなく冷たい。
< 110 / 122 >

この作品をシェア

pagetop