君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
カドラスの部屋を出てから、フィーはそのまま食堂へ向かった。
ベンチと長テーブルが数列にわたって並べられていた。朝食にしては時刻が少し遅いこともあって、まばらにしか座っていなかった。

「ちょっと失礼。……もしかして、フィーじゃないか?」

正面に人の気配がした。
昨夜何も食べていなかったからか、夢中でパンにかみついていた。そんな姿を見られた気恥ずかしさもあって、フィーはゆっくり顔を上げた。

目の前に一人の男性が立っていた。鎧こそ着ていなかったが、腰に剣を下げ、その上品な風貌から騎士と思われた。

「……アルベール様!?」

思わず立ち上がる。

その昔、舞踏会でよく顔を合わせ、話しもした男性だった。




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