君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「だからといって、教王がいなくなるのはもっと困るだろ?」
「はい」
「教王庁の連中からしてみても、自分達が国を守っているという自負があるのに、その立場はいつまでも変わらない。一生、国王の言いなりだ。じゃあ、どうする? 王制廃止を画策するか?」
口にするのもはばかられるようなことなのに、レイは平然としていた。
「それができないのが教王庁の最大の弱点なんだ」
「弱点?」
「王家と違い世襲制じゃないから、長い時間をかけて物事を進めるということができないんだ」
よくわからないが、そういうものなんだろうか。
「次期教王が誰になるのか、現教王が死ぬ時までわからないんだぞ。オレみたいな犬が指名される場合もあるんだし」
思わず吹き出しそうになるのを、フィーは必死にこらえた。
「教王が変わる度に人事も大きく動くし、不確定要素が多い教王庁では国が安定しないんだ。だから、確固たる歴史と血脈に支えられた王家が必要なんだ」
「はい」
「教王庁の連中からしてみても、自分達が国を守っているという自負があるのに、その立場はいつまでも変わらない。一生、国王の言いなりだ。じゃあ、どうする? 王制廃止を画策するか?」
口にするのもはばかられるようなことなのに、レイは平然としていた。
「それができないのが教王庁の最大の弱点なんだ」
「弱点?」
「王家と違い世襲制じゃないから、長い時間をかけて物事を進めるということができないんだ」
よくわからないが、そういうものなんだろうか。
「次期教王が誰になるのか、現教王が死ぬ時までわからないんだぞ。オレみたいな犬が指名される場合もあるんだし」
思わず吹き出しそうになるのを、フィーは必死にこらえた。
「教王が変わる度に人事も大きく動くし、不確定要素が多い教王庁では国が安定しないんだ。だから、確固たる歴史と血脈に支えられた王家が必要なんだ」