君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「結局さ。お互いがお互いを目障りな存在だと思ってるのに離れられないんだ。補完し合っている関係だから」
ふと、紋章が頭をよぎった。
強大な力を持つ龍だが、一つの体に拘束されて二頭の自由はままならない。決して自分の半身とは分かれられないから。
あれを描いた画家は、そんな悲哀と皮肉を込めたのだろうか。
「今回、カドラスは俺のことをずっと国王に報告しなかったんだ。できるだけ早い時期に国王に謁見するのが慣例なのに」
「それは、やっぱりレン様の状態が気がかりで……」
「いや、ただの嫌がらせだよ」
そう言われたら身も蓋もない。
「あいつらは、ヒマがあれば権力闘争をしてるからな」
呆れたような顔つきだった。
おそらく、レイがカドラスに言った、主導権争いと親書の件の相手は国王だろう。
ふと、紋章が頭をよぎった。
強大な力を持つ龍だが、一つの体に拘束されて二頭の自由はままならない。決して自分の半身とは分かれられないから。
あれを描いた画家は、そんな悲哀と皮肉を込めたのだろうか。
「今回、カドラスは俺のことをずっと国王に報告しなかったんだ。できるだけ早い時期に国王に謁見するのが慣例なのに」
「それは、やっぱりレン様の状態が気がかりで……」
「いや、ただの嫌がらせだよ」
そう言われたら身も蓋もない。
「あいつらは、ヒマがあれば権力闘争をしてるからな」
呆れたような顔つきだった。
おそらく、レイがカドラスに言った、主導権争いと親書の件の相手は国王だろう。