君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
(まさか、初対面の方と!?)
卑猥な推測が止まらない。

「あっ……んん」
妄想をよりかき立てたいのか、いいタイミングで女性が声を上げる。


『後背位』

ふと、レイの言葉が記憶から飛び出してきた。聞いてもいないのに教えてくれた、得意だという体位。
いやでも、レイのそんな姿が脳裏にちらついてしまう。

(私ってば、なんて事を考えて……)
いやらしい想像を振り払うように、フィーはベッドの中にもぐり込んだ。

どこの誰なのかわからないが、盗み聞きをするようなマネも申し訳なく感じられた。

早く朝になればいいのに。

現状から逃げ出すように、フィーはまた眠りについた。
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