恋がしたい
ダブルデート
遊びに行くことを親に説明するのに、正直に言えなくて友達と遊んでくると言っておいた
幸い、いとこのともこが一緒だから問題なかった

当日はクマさんが皆の家を回ってくれた順番はともこ→私→飯島さんだった
当然助手席にはともこ。そして後ろは私と飯島さんになる

飯島さんが「おはよう」と乗り込んできた

荷物はトランクにいれてあるから車に座るのには十分スペースがあるのに飯島さんとの距離はかなり近かった

(近いよー)

別に嫌じゃないんだけど・・・ドキドキして落ち着かないんだよね。

このまま持つかなー



休憩を挟んで何とかネズミの国にたどり着いた

(もうつかれたー)

先にホテルによって荷物を預けてから入り口に向かった

4人で歩いていると、最初は同じぐらいに傍を歩いていたのに私の歩くのが遅くて離されていた。

それに気づく度に慌てて駆け寄っていた

入り口に近づくとどんどん人が増えていき、これ以上置いていかれないようにともこの服の裾を掴んで歩いていたが、それを見ていた飯島さんによってべりっとはがされ手を握らされた

私が反応する間もなくいい笑顔で手を引かれ、ともこの後を追った

(もぉーさりげない!!かっこよすぎだよ!!)


後でともこに見られ散々いじられた・・・



入って最初に乗ったのはジェットコースターだった。
まだ時間も早いのですぐに乗れた。
ともこは絶叫系が大好きだった、先頭に乗って手を放してもへーきなぐらい・・・。
それに比べて私は、景色も見れずに下を向き、体を固定するバーを力いっぱい握りしめる位苦手だった

クマさんは私と同じタイプみたいだ、飯島さんは全然へーきそう

「大丈夫?」
「はい・・・」



その後もう一つジェットコースターに乗った。
ともこと飯島さんが楽しそうだからいいか


昼近くなり予約しておいたレストランに入った。
そこはテーブルにキャラクターが来てくれ、写真がとれるらしい



ご飯も美味しかった!デザートもキャラクターの形をしていて思わず写真を撮ってしまった



キャラクターが来てくれた時も飯島さんとの写真も撮ってもらった

(フフフ、幸せ)







店の外に出て次何処に行こうかって言うとき
それまで静かだったクマさんが生き生きと提案してきた


「この中で一番人気があるやつ何か知ってる?」
私とともこが知らないというと・・・

「それはね!お化け屋敷だよ!」

「「え」」

ともこと私は怖いの駄目だった。なんかこの展開はまずいぞ!

この時飯島さんは面白そうに見てるだけだった

「出るのに40分もかかるらしいよ」

「「いやー」」

「面白そうだね」
「だろ?」

二人で引っ付いてるとクマさんはともこの手を、飯島さんは私の手を引きお化け屋敷の列に並んでしまった

「やっぱりやめませんか?」
飯島さんに訴えるが・・・
「だーめ。デートっぽくていいよね」

「そんなー」

「怖かったら俺にしがみついてればいいよ」

(できるかぁー)
思わず心の中で突っ込んだ



待ち時間は30分位だった。建物はビル3階あり廃病院のような見た目だった。

建物の中に入ると薄暗く、まず20人位が並んでる椅子に座らされ映像を見せられた。

昔は病院で何があったとか結構リアルな設定だった。映像が終わるとガタッと椅子が動いてすごく驚いた。



そこから待合スペースみたいな所で順番待ちしていたがもうすでに怖い。

先にともことクマさんが出発したが、ともこはクマさんの腕にしがみついていた。



とうとう私たちの番が来た


一人一つライトを渡されてこれを頼りに出口を目指すらしい

(っていうか真っ暗だよ!何にも見えないよ!!)





道は本当に真っ暗でたまにあるやじるしをライトで見つけて何とか進んだ
飯島さんが前を歩き後ろから私がついていった。

このお化け屋敷脅かす役のゾンビさんが沢山出てくる

それも何故か飯島さんが通り過ぎて物陰から私を狙って脅かしてくる

「や、やだ」

最初は飯島さんの服の裾を掴む程度だったが、何度も脅かされ恐怖がピークに達し背中にしがみついた


これに慌てたのは飯島さんだった
(当たってる)



私は怖くて前見るのも怖くて必死にしがみついていて気がつかなっかった




「楓さん外にでたよ?」

ポンポンと回された手を叩かれた

顔をあげると明るく建物の外に出ていた


「え!えーーーーすいません」



気が付いたときには背中から手を回してがっつり抱き着いていた

自覚したとたん、真っ赤になって一生懸命誤った

「気にしてないよ、むしろとくやくだったよ!」






そこを見ていた、ともことくまさんに積極的だねーとニヤニヤいじられた


(くそーおぼいてろよー)












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