いじめっ子には愛の鉄槌を
明るいリビングの光が逆光になり、扉の前に立つ彼のシルエットが浮かび上がる。
予想通り男性だ。
しかも、すらっと背が高くスタイルもいい。
思わず見惚れてしまったあたしだが……
「何の用だ。
……てか、誰だ」
低い声で男性が言う。
敵意に満ちたその声に、思わず怯みそうになった。
だが、負けてはいけない。
ここはあたしの家、悪いのは彼だ。
何かあったら警察に電話をしようと携帯を握り締めながら、震える声で彼に告げる。
「あたしは今日からここに住むことになっています」
あたしの声に、男性は「はぁ?」と言う。
はぁ?と言いたいのはあたしのほうだ。