いじめっ子には愛の鉄槌を
そして、待ち合わせ場所に現れた晴哉さんと一緒に、お洒落なイタリア料理店に入る。
落ち着いた暗めの照明に、白色を基調とした清潔な店内。
多くのカップルが楽しそうに話をしていて……
彼らに倣うようにあたしたちも席に座る。
キャンドルの照明に照らされた晴哉さんはやっぱり優しそうで、理想の彼氏なんだと思ってしまう。
彼氏か……
彼氏なのか……
あたしにもとうとう彼氏が出来るのか……
そんなことを考えるとにやけてしまう。
社会人デビューで素敵な彼氏、言うことないじゃん!
だが、こんな幸せな時間でさえ、淳太君の顔が思い浮かぶ。
その雑念を追い払うように首を振る。
淳太君のことなんて考えてはいけない。
淳太君なんて大嫌いなんだから!